「育休中収入が減っても普段通り生活できるの?」
「育休って収入が減るから育休を取るのに気が進まない…」
サラリーマンにとって、育休は楽しみの反面、収入減という大きな不安がつきまといます。2022年のパーソナルキャリア株式会社の調査によると、育休を取得するうえで心配なことの第一位は男女ともに「収入が減るかもしれない」という不安でした。
私も実際に育休を取得しましたが、育休中は残業や手当が出ない分、収入は減ります。しかし、実は収入減はそこまで深刻なものではありません。
例えば、手取り30万円のサラリーマンならば、育児休業給付金としてひと月に約27万円を受け取ることができます。また、ボーナスが出る時期であればボーナスから税金や社会保険料が引かれないため、ボーナスをほぼ全額を受け取ることができます。このように、短期的には生活が成り立つことを具体的な例を交えて紹介します。
この記事では、以下の内容について、私の体験談を交えて詳しく解説します。
育休を検討している方、収入減に不安を感じている方にとって、参考になる情報が満載です。ぜひ記事を読んで、育休中の生活を具体的にイメージして備えをはじめましょう!
育児休業給付金で振り込まれる収入の額
手取り30万円のサラリーマンがひと月にもらえる育児休業給付金は約27万円です。育児休業給付金は以下の方法で計算されます。
30万円の67%って27万円にならなくない?
手取りが30万円とすると給与の額面はおよそ40万円ほど。
これで計算すると約27万円となります。
こちらのサイトでも確認できるので、自分の給料を入力して計算してみてください。
育児休業給付金計算サイト
給付金計算サイト利用のコツ
この計算サイトでは、育休中にもらえる給付金の総額が分かります。ひと月にもらえる額ではないので注意が必要です。ひと月分が知りたい場合は、総額を自分が取得する育休の月数で割ってください。
休業開始時賃金日額がわからない場合は、給与明細に記載してある標準報酬月額を入力しましょう。4~6月によほど残業をしていなければおよその金額が分かるでしょう。
育休中は社会保険料、所得税は免除!
育児休業給付金は税金や社会保険料が引かれないこともご存知でしょうか?
育休中に振り込まれるのは、「育児休業給付金」と呼ばれる給付金です。「給付金」であるため給与とは異なり、税金や社会保険料がかからないのです。
児童手当等で税金が引かれていないのと同じように、育児休業給付金でも税金は引かれることはありません。実質的に給料の8割程度の収入が保証されるというわけです。
なお、2025年4月1日からは条件付きで10割補償されるようになるとのことです。詳しくはこちらをご覧ください。
賞与も社会保険料、所得税の免除対象になる!
さらに嬉しいことに育休中にボーナスが出る場合、ボーナスも社会保険料や所得税の免除の対象になります。
賞与保険料は、賞与を支払った月の末日を含んだ連続した1か月を超える育児休業等を取得した場合に免除されます。1か月を超えるかは暦日で判断し、土日等の休日も期間に含みます。
厚生労働省公式より引用
https://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2022/0729.files/ikukyu-chirashi.pdf
例えば、6月がボーナス支給月、7月1日から1ヶ月間育休を取ることを考えているなら、6月30日から育休を取ることを考えてください。ボーナスの社会保険料を支払わなくても良くなります。
なお、私の今季のボーナスの明細をお見せします。こちらの写真をご覧ください。
引かれているのは雇用保険料と持株会のみ。持株会をやっていなければ、天引きされるのは5,000円程度ということになります。
ちなみに、2023年の社会保険料や税金が引かれている明細を見てみましょう。
住民税と社会保険料を合わせて20万円引かれているのが分かります。
額面は2023年の方が多いにも関わらず、手元に残るお金は育休中の方が多いんですよね。
ただし、育休中にボーナスが出るかどうかは会社の就業規則によります。会社の人事課や事務担当者に確認しておきましょう。
育児休業給付金を多く貰える人:通勤手当が多い人【体験談】
通勤手当が多いほど育児休業給付金も増えるという意外な事実をご存知ですか? 実は、私のように新幹線通勤をしている人などは育児休業中は手取り20万円に対して27万円もの給付金を受け取ることができたのです。
当時、私は20代後半で、手取り月収は約20万円のサラリーマンでした。新幹線の通勤定期券は、1ヶ月で約7万円、3ヶ月で約21万円と高額でした。
この高額な通勤手当が、育児休業給付金の算定基準となる【休業開始時賃金日額】に反映されたのです。
通勤手当は社会保険料の増額の対象となりますが、育児休業給付金の上乗せ効果は大きいと言えるでしょう。結果として就業中は手取りが約20万円、育児休業中は27万円もの給付金を受け取ることができたのです。
通勤手当が多い方は、普段の給与以上の給付金を受け取れる可能性があります。
通勤手当を多くもらっている人(新幹線で通勤している人など)は、通常の給与以上に給付金をもらえる可能性があることは覚えておいて損はないでしょう。
育休中に行うべき節約術5選
それでも、不安な場合は家計を見直してみましょう!!
順番に見ていきましょう!
家計の見直し
育休中は、家計を見直す絶好の機会です。まず、固定費を見直しましょう。例えば、保険料や通信費、光熱費などは、プランの見直しや契約の変更で削減できる場合があります。無駄な支出を減らし、必要なものに集中することで、効率的に節約できます。
我が家では 楽天モバイル を使用しています。月々約2,000円に通信費を抑えることができています。
自治体の支援を受ける
多くの自治体では、育児中の家庭を支援するための助成金や補助金が用意されています。例えば、子育て支援金や医療費助成など、さまざまな制度がありますので、自治体のホームページや窓口で情報を確認しましょう。
我が家では子ども一人に付き12万円の臨時給付金を受け取ることができました。
自治体主催のサービスを利用する
自治体が提供する育児支援サービスやイベントに積極的に参加しましょう。無料または低料金で利用できる子育て広場や育児相談、親子イベントなどは、子供と一緒に楽しむことができるだけでなく、他の親とも交流できる良い機会となります。
高い税金のもとをとるためにも公共サービスは徹底的に使いましょう!
スマホアプリを削除する
無駄な出費を減らすために、不要なスマホアプリを削除しましょう。特に、課金が必要なゲームアプリやサブスクリプションサービスは、気づかないうちに大きな負担となっていることがあります。定期的にアプリを見直し、必要なものだけを残すようにしましょう。
特に、楽◯市場や◯mazonなどの通販アプリは削除しましょう。
でも、通販のとき困らない?
Webブラウザからのログインをすれば大丈夫!物欲がなくなるから試してみて!
家の不用品を売却する
家にある使わなくなったものや不用品を整理して売却しましょう。リサイクルショップやフリマアプリを利用することで、思わぬ収入を得ることができます。家の中がスッキリすることで、気持ちもリフレッシュします。
リサイクルショップよりは高く売れますし、赤ちゃんグッズの収納スペースを確保するための断捨離にもなります。
個人的にはメルカリで不用品販売を始めるべきだと思っています。
昇給にはデメリットの可能性も
育休中の金銭的な面での不安はそれほど深刻なことでは無いことが分かっていただけたのではないでしょうか?
しかし、育休後の働き方を考えると、手放しで喜んでいる場合ではありません。育休から復帰した仕事への影響は次のことが考えられます。
順番に見ていきましょう!
昇進が遅れる可能性がある
育児休暇を取得すると、その期間中は業務に参加できないため、昇進や昇給の機会が遅れることがあります。また、長期間の休暇が業績評価に影響を与える可能性もあります。会社の上司としっかりと意思疎通を図っておきましょう。
私の場合、今回の夏季のボーナスは満額出ましたが、冬季はボーナスが無いに等しいとのことでした。育休中はお金の心配はなくなりますが、復帰後のお金はしっかりと稼がなくてはいけませんね。
スキルの低下
長期休暇は、スキル低下というマイナスの側面も伴います。逆に言うと、副業や資格取得を通じて、復職後に役立つスキルや経験を積む絶好の機会となります。
スキルアップの具体例
副業 | フリーランス オンライン講師 コンサルタントなど |
資格取得 | IT系 ビジネス系 語学系など |
情報収集 | 業界誌 セミナー オンラインコミュニティ |
キャリアプラン | 将来の目標設定 |
職場とのコミュニケーション | 定期的な連絡、相談 |
復職後にスムーズに仕事に復帰すると同時に、キャリアアップを目指していけるような体制を整えておきましょう。
育休の目的は「育児」ですが、全ての時間を育児に当てている訳ではないです。時短家電を導入するなどして自分の時間を増やしましょう!
職場との繋がりが薄れる
育児休暇中は、職場の人脈やネットワークが途絶えます。職場のプロジェクトが進行中でも、ラインの通知がたまに来るだけで、自分が発言を求められることはほとんどありません。まさに、社会から隔離されたように感じることがあるでしょう。
とはいえ、会社から離れることにはメリットもあります。嫌な飲み会や会議に参加しなくて済むので、飲み会が苦手な方にとってはストレスフリーな生活を送ることができます。
別のコミュニティを作ったり、自分に合った趣味を見つけることをおすすめします。
私も飲み会が苦手なので、この期間に節約もできて一石二鳥です。
対策とアドバイス
簡単なアドバイスではありますが、対策として以下のようなことが考えられるでしょう。
キャリアプランを上司と話し合う
育児休暇前に、上司とキャリアについて話し合い、休暇後の復職計画を立てることが重要です。
育休を取りたい時はパートナーが安定期に入ったくらいで上司に伝えると良いでしょう。
早めに伝えることで会社も方針を決めやすくなります。
勉強をする
休暇中でも、自分の業務に関連するスキルや知識を維持・向上させるためのオンラインコースやセミナーに参加することを検討します。
ただし、育休の目的は「育児」なので自己投資と育児のバランスを取ることが重要です。
職場の仲間と積極的に情報を交換する
職場の人脈・情報を維持するために、定期的に職場の同僚と連絡を取ったり、ニュースを見たりすることで復帰してからも社会の情勢についていくことができるでしょう。
まとめ
育児休暇は、一時的な収入減という不安要素があるものの、それ以上に得られるものがたくさんあります。子供との貴重な時間を共有し、育児に深く関わることで得られる満足感や成長は、お金には代えられない価値です。
また、育児休業給付金や税金・社会保険料の免除を加味するとそこまでお金の心配はしなくても良いことが分かります。
育休を通じて得られる経験は、あなた自身の人生にも、子供の成長にも大きな影響を与えることでしょう。キャリアや収入に対する不安があるかもしれませんが、それを乗り越えた先には、豊かな家庭生活と新たな発見が待っています。
この記事が、育休を検討している方々の参考になり、不安を軽減し、育休を前向きに考えるきっかけとなれば幸いです。子供との時間を大切にし、育休期間を有意義に過ごしてください。
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